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【V紅白歌合戦】V界隈はまだ始まったばかり【感想】

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2018年12月29日、歌衣メイカ天開司個人勢である2人を司会に、第1回Vtuber紅白歌合戦が開催されました。

この日のTwitterトレンド1位も獲得した本放送、非常に感じるところが多く胸を打たれたので、記事として残すことにしました。

紅組司会:歌衣メイカ

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紅組の司会を務めたのは、バーチャルコスプレイヤー歌衣メイカちゃんです。銀髪目隠れで黄色いメッシュがおしゃれなVtuberさん、くわえて巨乳。今回の企画の多くの部分を担当した主催者にあたります。

イカという名前は『make a』から来ており、非常にクオリティの高い他のVtuberさんのコスプレイラストを自作する等のクリエイター活動を行っています(詳細は彼女のTwitterやpixivにて)。歌も上手く彼女の歌ったロキを筆者はもう30回以上聞いているでしょう。Twitterでの活動にも精力的で、定期的にメイカクソコラグランプリなるものが開催されます。

彼女の大きな魅力は、テンポがいいフレンドリーなトーク豪快な笑い声にあると思います。それは聞いている人を不思議と引きつけ、嫌なことを吹き飛ばしてくれる、そんなパワーを包含しています。

 

また、彼女はたびたび実の家族とのコラボを行います。本人いわく、パンチのきいた動画を挙げるために家族を巻き込んだとのこと。

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この家族コラボはリスナーから特に好評で、実際、個人勢であるメイカちゃんがバズるひとつの要因になりました(筆者もこのコラボで彼女を知りました)。動画を見ていただければわかると思いますが、此の親にして此の子あり、彼女の強烈なキャラクター性や笑い方が家族譲りであることをリスナーはこのときはじめて認識します。

 

そして彼女を一躍有名にしたのがキズナアイ杯』でした。

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キズナアイ杯』はバーチャルYoutuber界の親分、キズナアイ主催のマリオカート8 デラックスを用いた超大型コラボ企画です。88名のあらゆるジャンルのVtuberに、ホストであるキズナアイを加えた総勢89名で、キズナアイ杯初代チャンピオンの座を争いました。

この注目度の非常に高い大会でメイカちゃんは優勝し、彼女のYoutubeのチャンネル登録者数は倍増します。またVtuber界の親分相手にも臆することなく自身のペースでトークを展開し、彼女のエンタメ能力が本物であることを多くのリスナーに証明して見せました。

 

その後、メイカちゃんは多くのバーチャルタレントをサポートするプロジェクト『upd8』に参加、また株式会社セガゲームスさんが実施したVtuberオーディションイベント『VER.』のゲームエンタメ部門で準優勝しスポンサー権を獲得、満を持しての3D化など、個人勢歌衣メイカの躍進は留まるところを知りませんでした。そして第1回Vtuber紅白歌合戦につながるのです。

 

白組司会:天開司

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白組の司会を務めたのは、バーチャル債務者Youtuberの天開司さんです。今回はメイカちゃんたってのお願いということで、白組司会を引き受けることになりました。赤髪に切れ長の目、頬にある『び』のマークとサイコロのイヤリングが特徴的なVtuberさん、借金取りに追われながらも人生の大逆転を賭けてVtuber界のビッグウェーブに飛び込みました。

 

彼はデビューして間もない間に、版権等の問題によりコラボが危うい、曲者ぞろいのVtuberが集まる『BANs』のまとめ役を任されます。彼のデビューより少し前、BANsの創設者、微糖カイジが姿をくらまし精神的支柱を求めていたBANsのメンバーは、彼と同じく債務者である天開司に何か感じるものがあったのかもしれません。

 

彼の配信はゲーム実況や雑談が中心ですが、定期的に非常にハードな企画ものの長時間配信が行われます。

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 他の配信者だったら投げ出してしまいたくなるような、いわゆる苦行配信を粛々と実行する様に、彼の配信者魂を感じます。しかもこの長時間の配信に毎度少年マンガのような熱い展開が待ち受けているので、自然とリスナーは手に汗を握り彼の配信に釘付けになります。困難だと思われる配信を必ず成功させてきた、成功請負人の彼だからこそメイカちゃんは司会に彼を選んだのだと思います。

 

俺みたいな個人勢がバズるには、命削るしかないんだよ・・!」彼は過去の配信でこのように発言しています。今は群雄割拠のVR時代、Vtuberは今なお増え続けています。企業のバックアップがあっても第一線で活躍することは難しいので個人勢は言わずもがな。それでも歯を食いしばってここまで駆け上がってきた彼には、感嘆せざるを得ません。

 

「マジでやるの紅白?」「やるよ!めっちゃ気合い入れて衣装着たやん!」

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そして2018年12月29日、満を持して『第1回Vtuber紅白歌合戦』が開催されました(動画は上からV紅白歌合戦本放送V紅白歌合戦裏放送V紅白歌合戦打ち上げとなっており、Youtube側の本放送はアーカイブが一旦止められているためニコニコ動画のリンクを貼っています)。

出演者の皆様、ならびにピックアップ動画で取り上げられました皆様お一人おひとりを紹介するとなると、とんでもなく長い記事になってしまいますので、ぜひそれぞれのチャンネルの視聴をお願いしたいです。この記事ではざっくりした総括と筆者の感じたところを少し。

 

司会者2人の軽快なオープニングトークからスタートした本配信、個人勢、企業勢を問わないバラエティ豊かなVtuberさんが出演されました。これだけ多くの歌えるVtuberさんを集めることができたのは、司会の2人が地道に築いてきた人望と、個人勢のもつフットワークの軽さがあってのものでしょう。シークレットゲストに “奴ら” を呼んでくれたの、本当に嬉しかった。

 

この放送でとても衝撃だったのは、オリジナル曲を引っ提げてきたVtuberさんが沢山いらっしゃったことです。一般的に人気のある既存のカバー曲のほうがリスナー的にはとっつきやすいと思われる中で、これほど皆さんアグレッシブに動けるのかと驚かされました。しかもその全部が全部キラーチューン、『Vtuberのオリジナル曲はすげえんだぞ!』と、リスナーに気づかせてくれたこの配信のVtuber界発展に寄与するところは、とても計り知れないと感じます。

 

また筆者はこの配信で、個人勢の地力の高さも思い知らされます。企業勢と比較して、プロモーション能力に大きく差が出てしまい日の目を浴びることも難しい個人勢。しかし行っているVtuberの活動は、企業勢に十分匹敵するものでした。

個人勢にも関わらず死に物狂いでこの舞台まで這い上がってきた司会者2人は、やはり同じ個人勢の皆にもバズってほしい、注目してほしいという思いがあったに違いありません。ありがとう、メイカちゃんと司、この企画を成功させてくれて。ありがとう、個人勢のみんな、地道に活動を続けてきてくれて。この日、筆者はいったい何人のVtuberさんのチャンネル登録をしたんだろう。

 

あとがき

 V紅白歌合戦は、Vtuberが大ブームとなった2018年を締めくくるに、非常にふさわしい配信でした。しかしこれはまだVtuber黎明期であるだろうから、まだまだ彼ら彼女らの躍進をリアルタイムで追いかけることができる、そのことに興奮して夜も眠れません。そして来年も、今と同じようにV紅白歌合戦を見られること、心から願っております。

 

さいごに、ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。感じたところを感情の赴くまま書いたので拙い文章だったかもわかりませんが、もし何か思うところあればコメントのほうをしてくれれば幸いです。

また先日の記事を宣伝してくださった方々には感謝しても感謝しきれません。初めてモノを書きましたが、沢山の反響があり嬉しい限りでございます。

 

それではまた、次の記事でお会いしましょう。